今日はデンマークで一番古くからあると言われる料理をご紹介。
さて、これは…??

Øllebrødと言います。発音が難しすぎてカタカナ表記も不可能なのですが(苦笑)あえて書きますと「ウルブロ」みたいな感じになります。デンマーク語でølはビール、brødはパン、ということで、中身は名前のまんま。ビールでパンを煮込んだお粥です。

料理と言うには簡単すぎなのですが、もともとこれは節約料理のひとつで、800年も前にさかのぼる中世の時代、前日の夕食で残ったパンとビールを翌朝の朝食にしていたというのがルーツのようです。

当時パンはもっぱらライ麦パン(黒パン)で、さらに水の質が大変悪かったために生水を飲む習慣がなく、飲み物と言えばビール。ビールとは言っても、アルコール度数が非常に低いタイプが飲まれていました。

ライ麦パンには栄養がいっぱい。腹持ちも良いので、日々肉体労働を行っていた当時の人々には、仕事前にパワーが充填できる良い食べ物だった、というわけです。しかも前日の残り物ですから、無駄もない。

ところで肝心の味はと言いますと・・・ライ麦パンがお好きな方は、美味しく召し上がっていただけるのでは。あの酸味が苦手な方は、結構辛いと思います(笑)。

材料はライ麦パンとビール(ほとんどの場合hvidtølヴィットウル=甘みのあるライトビール)、水、砂糖。食べる時にホイップクリームを添えたり、生クリームをそのままかけたりすることもあるようです。卵の黄身を加える、なんていうレシピも。現代人にとっては少々カロリーオーバーかもしれませんが、1日中おなか一杯でいられること間違いなしです。
(今回は時期的なこともあり、写真のJuleølユールウル=クリスマスビールを使用。nisseølニッセウル=小人のビールとも呼ばれる、アルコール度数1.7パーセントの甘みの強いビールです)

これはあくまでも家庭で作られる料理ですので、レストランで食べるような料理ではありません。ごくごくまれに、ホテルの朝食に登場したり、会社の食堂で出されたり、ということはあるようですが。ドイツやイギリス、ノルウェーにも似たようなものがあるのだとか。

というわけでちょっと面白い料理(?)のご紹介でした。

※ところで今回のøllebrødは、デンマーク人の知人(少し年配)が作ったものです。デンマーク人にとってøllebrødは「田舎のおばあちゃんが作ってた懐かしい食べ物」という感覚のようです。したがって、日常的にこれを食べてる人たちはたぶんもういないと思われます。